指定暴力団・・・という文字を目にして、ふと思い出しました。
子供の頃、近所に○○組系の方のお家がありました。
そしてそこには3人の子供たちがいました。
兄とふたりの妹。
その兄は私のひとつ上の学年でした。
私は、友人の家がその隣りにあったこともあり、
時折遊んでもらっていたりもしました。
下のふたりの妹さんたちとも遊んだりしていましたし、お母様と一緒にお買い物している時に会えばもちろんご挨拶もしていました。
同じ小学校、同じ町内会です。
家で飼っていた犬は、そこで生まれた仔でしたし。。
(もらってきたよ~♪と喜んで帰宅した私に少々焦ったらしい両親は
後日ご挨拶に行ったそうです・・・)
子供なので、お家の事情はまるでわかりませんでしたし、
気にしてみたこともありませんでした。
親もそんなことは子供に教えませんし。
そのことがわかったのは、高校生になってからだったと思います。
私は中学入学と同時に引越してしまったのでその後何があったのか詳しく知りませんが、一時期あれこれと話題に上り、抗争があった頃に、そこのお父様が警察に手配されている(行方がわからなくなっていたそうですが)ことを聞きました。
お兄ちゃんや彼女達がどうしているのかはわかりませんでした。
その後数年して。
帰省していた夏休みかGWかは忘れましたが、橋の上でお兄ちゃんとすれ違ったのです。
彼は、長靴を履いて、黒い傘を持って、Tシャツとチノパン姿で(服装ははっきり覚えていませんが、その後数回見かけた時もいつも同じ服装でした)ゆっくりとなんとなく微笑みながら前を見つめて歩いていました。
別に何をするでもなく、ただ歩いていました。
いつ頃からそうして歩くようになったのかはわかりません。
母に聞いても、ある時気づいたら時折見かけるようになったということでした。
誰かに声を掛けるのでもなく、ただただ歩いていたそうです。
晴れた空に黒い長靴と黒い傘が今でも目に浮かびます。
今ごろどうしているかしらと
「家宅捜索」の文字を見ながら思い出しました。